お遍路に出る理由 012. <ローカル鉄道(その1)>

徳島駅

徳島駅から1番札所霊山寺最寄りの駅、坂東駅まで鉄道を利用した。

10月半ばの午前6時、まだ夜は明けていない。ホームには二両編成のディーゼルカーが煙を上げながら停車している。ディーゼルエンジン独特の排気ガスのにおい。ゴロゴロとした太いエンジン音。

やがて数人の乗客を乗せて出発した。太いトルクでギアチェンジしながら加速していくディーゼルカーは、まるで大型トラックに乗っているかのような感覚だった。

四国では、このディーゼル機関車のことを皆「汽車」と呼んでいる。汽車に乗ったのは何年ぶりだったろう? たしか中学生の頃、部活の遠征のため高松から鳴門へ行った時以来だから、ざっと25年ぶりということになるだろう。

鉄のレールの上を列車が走っているという、当たり前だけれどもしっかりとした感覚。そのことを感じることができる。新鮮な刺激にワクワクした。

そして車窓には四国らしい風景が見える。中学生の頃の出来事をたくさん思い出した。

 

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お遍路に出る理由 011. <相反することがある>

僕が一回の旅に費やす日数は4~5日間。同じ職場の人からは毎回のように「家族ほったらかして行くんですね?」とコメントをいただく。

しかし、である。ひとり旅の途中で僕がいちばんよく考えていることは、家族のことなのだ。旅のあいだ毎日のように、家族への感謝の気持ちが湧き上がってくる。

日常生活において、毎日一緒にいてもここまで家族のことを考えることはなく、またここまで感謝の気持ちが湧いてくることもない。まったく不思議なことなのだけれど、離れていた時の方が家族を近くに感じられるというのは本当のことだ。

振り返ってみると、このように「相反すること」が存在することに気づいたのは、これだけではない。

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お遍路に出る理由 004. <「おはようございます」が僕に元気をくれる>

おはようございます。

地元の人たちがあいさつしてくれる。

「お遍路さん、おはようございまーす。」登校中の小学生たちが。

「おはようございます。」庭の草むしりをするおばあちゃんが。

「お遍路さん、こっちやのうて、あっちの道やで。」軽トラで通りかかったおっちゃんが。

「こんにちは。」自転車で下校途中の高校生が。

老若男女を問わず、多くのひとたちから挨拶してもらえることの心地よさといったら。

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お遍路に出る理由 010. <かわいい子には旅をさせよう>

『かわいい子には旅をさせよ』 室戸市吉良川町の橋を渡りながら思い浮かんだ言葉。

子どもはなぜ親の言うことを聞かないのだろうか。 例えば、こんな時にはこうしたらいいと、自分が何年もかけて気づいたり見聞きした知恵を教えてあげようとしても、まるで聞く耳もたずだ。この知恵を使えば、困ったときにも苦もなくそれを越えていけるというのに。 ああ、モッタイナイと思っていた。

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お遍路に出る理由 009. <ゆっくりでもいいから、目的に向かって着実に進んでいくこと>

37番岩本寺宿坊で、奈良県から来られた男性(推定年齢75才ぐらい)と同宿になった。 お話によると、歩き遍路の旅は今回2回目であり「前回、結願した時に、10年後にもう一回やろうと決めていた。そして今回歩いてみて、体力的には前回よりもずいぶん落ちたと感じている。」とのことだった。 翌朝、峠道を降りてきたところにある休憩所に、男性は僕よりも先に到着して雨の装備を準備していた。 なぜだろう? 僕の方が先に宿を出発したはずなのに。

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お遍路に出る理由 008. <30年間変わらない風景>

室戸岬の山の上に「国立室戸青少年自然の家」という施設がある。 「そういえば中学生の時、学校の宿泊研修でこのへんに来たことがあったっけ。クラスメート5人ぐらいの班でオリエンテーリングをしていた時、細道で立ち止まって、次のチェックポイントがどこにあるのかを相談していた光景が記憶に残っているよなぁ。」と考えながら歩いていたまさにその時、記憶そのままの風景がそこにあった。

「ここや!ぜんっっぜん変わってないやんか。。!!」

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お遍路に出る理由 007. <ぬるいコーラがやけに美味い>

歩き遍路の旅、僕は5月末から6月初め頃の季節に四国に渡るのが好きだ。 混雑する春のシーズンが終わって、梅雨に入る間際。少し上手になってきたウグイスの声が山から聞こえてくる。本格的な夏の暑さはまだないものの、気温は30度を超えることもある。しっかり晴れた日の太陽は強烈で、植物の色や勢力は旺盛で生き生きとして見える。 小雨が降る日には、傘をささずに濡れながら歩く。身体の火照りをちょうどいい感じにクールダウンしてくれる。まるで車のラジエーター(機関冷却装置)の機能が備わったみたいで嬉しかった。

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お遍路に出る理由 006. <アリの行列のはなし>

徳島県海陽町を歩いていた時のこと。

疲れて地面ばかり見て歩いていたからだろうか?アリの行列に気づいた。歩道と山側の斜面との間にコンクリートの細い側溝があり、金属製のふたを支える白いコンクリート枠(幅7cmぐらい)のところに、アリの行列ができていた。

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お遍路に出る理由 005. <お遍路とは「歩く瞑想」だ。>

歩いて歩いて、ひたすら歩いていくあいだ、何かについて考えごとをしていることもあるかと思えば、なーんにも考えていないこともある。

そうして歩いていくうちに、今まで思いもしなかった面白いアイデアがひょっと頭に浮かんでくることがある。本当にどこかから落ちてくるような感じで思いつく。忘れないように、すぐにメモ帳に書き留める。

日常生活においてはゆっくりと考えることができず、いろいろな考えや物事、感情などが頭の中でごちゃごちゃになっているのだと思われる。 歩いているうちにそれらが整理され、自分が本当に必要としている答えやヒントを紡ぎ出すのではないかと思うのだ。

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